情報企画の解決力
<経営者・経営企画担当の皆さま>
「情報企画」とは、業種や規模を問わずあらゆる企業・団体に実装されるべき、経営の一翼を担う“基幹実務”です。
御社の経営力は、「情報企画」によって強化することができます。
実装支援による6大解決力
「情報企画」の仕組みは理解してくださいましたか。その前提で、当社の実装支援によって御社の経営課題を解決する代表的な6つの方法を紹介します。経営力を強化する基本は①~③、その上で国際展開を図る場合は+④、会社の内側から魅力を高めるには①+⑤、事業承継に直面している場合は⑥が適合します。純粋に経営者が代替わりする場合は、⑥というより基本の①~③が重要です。当ページでは課題別の簡単な説明しかしていませんので、根本的な仕組みは「情報企画」ページをご覧ください。
① 経営基盤を強化したい!
〔解決力〕 経営意志の浸透・定着 |
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② 情報発信力を高めたい!
〔解決力〕 ブランディングの強化 |
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③ 会社の地位を上げたい!
〔解決力〕 上質なビジネスモデル |
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④ 国際市場を開拓したい!
〔解決力〕 情報のグローバル化 |
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⑤ 魅力的な会社にしたい!
〔解決力〕 風通しに優れる組織 |
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⑥ 上手に事業承継したい!
〔解決力〕 企業DNAの情報共有 |
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事業を可視化する「事業図」
事業経営は経営者の仕事です。経営意志が明確に伝わらねば、組織が一丸となって機能することはありません。経営基盤の強化には、理念や目標の明確化は勿論、経営意志を末端実務にまで浸透・定着させることが重要です。世の組織図は、指示命令系統、部署の名称、責任者の人名、構成員の名簿など「誰がやるか」を示していても「何をするか」は曖昧です。そこで、事業のゴールと意義、取組む方向性、達成への道筋、手法の関係性などを図式化して情報共有する「事業図」を描きます。それによって、事業理念から末端の実務までがつながり、経営者の意志(事業理念)が、毎日会うことがない社員の日常業務にまで反映されるのです。
経営意志の実現方法
経営者と従業員の間には、普遍的な構造上の溝、意識の隔たりが存在します。優れた経営者ほど未来に軸足を置く革新的な発想をします。一方、従業員はどうしても過去と現在に軸足を置き、保守的な発想に終始します。そのため、経営者が「将来必ずこうなる」と未来像を指し示しても従業員は同じビジョンを共有できず、口に出さないまでも心では「そうなる訳がない」と感じています。そこで、両者の隔たりを埋める装置として「事業図」が機能します。ビジョンの理解工程を提供する訳です。それにより、従業員一人一人がどういった形で経営者が予見する未来の創造に貢献できるか、具体策に落とし込んでいくことができます。
魅力の根源は企業DNA
経営意志が浸透・定着すれば、全社一丸となって対外的な情報発信に注力します。平成後期からブランディングという言葉が普及したため使用しますが、真髄は「情報企画」です。企業には創業の志を起点にDNAが刻み込まれ、その魅力を花咲かせ利益に結実させる経営が王道です。しかし、肝心の“事業の本質”や“本当の魅力”は目に見えません。そこで源流から一貫した「情報企画」を行うことで“見えない本質”を顕在化させ、「自社⇨地域⇨全国⇨世界」の空間軸、「過去⇨現在⇨未来」の時間軸に向け、企業DNAの伝播と継承を図ります。個体に寿命のある生物が、永遠に生きるためDNAを残し、子孫繁栄に努める自然の摂理と同じです。
ブランディングの真髄
個別の戦略に対する一般的なブランディングでは、どうしても局所的、一時的、表面的な対処に陥ります。一方、事業の本質を見据える「情報企画」では、経営資源(企業DNA)を可視化・武器化・定着化させ、顧客のブランド認識へと直接的に転換します。そして顧客の意思決定を促し、行動を喚起します。もちろん、そのための具体的な実務(実践方法)が存在しています。「情報企画」は正にブランディングの真髄です。
メディアクロス広報
情報発信するメディア制作は、つい外部の業者に依存しがちです。しかし、彼らは御社の何を知っていますか。だから“仏作って魂入れず”のメディアが量産されてしまいます。「情報企画」では、伝えたい“本当の魅力”を最上流で可視化・武器化し、顧客に注入すべき企業DNAとして各メディアにアウトプットします。「情報」を集約一元管理することで、各メディアを縦横に駆使して全方位から情報発信する「メディアクロス広報」や、無駄なく実効性の高い「多言語展開」が可能になります。「情報企画」の優れた特性です。
小よく大を制す陣形
情報発信力が強くなれば、顧客との関係性において自社の存在価値が高まります。そこで自社の“格(位取り)”を高めるべく「情報」のグランドデザインを行い、あらゆる魅力を統合して“小よく大を制す陣形”を固めます。顧客に注入する「確固たるDNA」、顧客を共感させる「魅力的な物語性」、優位に交渉を進められる「格の高い位取り」から構成されます。業種や事業に内容で事情は異なりますが、この陣形を活かして最上位の社格を創り上げる最強の仕組みは、「家元」ビジネスモデルです。
家元制度の主構成 | ビジネスに応用 |
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① 流儀の同一性を保持 | ⇨ 商材の魅力と独自性 |
② 流儀内の規範性を維持 | ⇨ 商材を活かすノウハウ |
③ 門弟の養成(資金の徴収) | ⇨ 顧客を育成する仕組み |
④ 免状(教授権)等の授与 | ⇨ 伝道師を養成する制度 |
日本の伝統芸能や武芸に代表される家元制度には、空間や時間を超えて流儀を広く深く普及するための知恵が結集されています。長きにわたって洗練されてきたその知恵を、ビジネスに応用しない手はありません。効果は実証済みです。
家元制度の主構成は大きくこの4つです。それらをビジネスに応用すると、「情報」をグランドデザインしなければならない必然性と、その方向性が見えてきます。
「家元」ビジネスモデル
ビジネスモデルで異なる顧客との関係性(位取り)に注目してください。①発注者頼みだと自社のビジネスは下から上向き、②小売り等では顧客と対等以下の立ち位置となり下から横向き、しかし③「家元」ビジネスモデルだと、対価を支払ってくれる顧客でも門弟なので上から下向きとなり、自社の格を顧客より高い位置に設けられます。何気ないようでこの差は大きく、顧客に対し事業展開の主導権を握ることができます。
この優位性は資金の流れで見ると明らかです。例えば、日本に本部を置き海外展開するとしましょう。海外に自社出店して現地社員を採用する場合、社員の給与や一切の経費は自社持ちです。しかし「家元」ビジネスモデルであれば、現地で働くスタッフは他社の社員でよく、その場合固定費は掛からない上、門弟からは謝金を徴収できます。日本の伝統芸能や近代武道、世界宗教などが各国に広がり現地に定着したのは、「家元」ビジネスモデルだったからです。
皆さんの身近なフランチャイズは、パッケージ化された店舗経営ビジネスだと思ってください。一方、「家元」ビジネスモデルは門弟(顧客、得意顧客)の育成が核であり、その中の有資格者だけに暖簾分け(指導員や伝道師の認定)が行われます。門弟(顧客)との関係性を創り上げ、その国や地域におけるアンバサダーとして彼ら自身に活躍してもらうビジネスモデルです。
国際化の3大要件
国内で商材(製品や役務)を磨き上げても、国際市場に打って出るには事業の国際化(グローバル化)が必要です。現地の市場調査や販売ルートの開拓は然るべきプロの助力で進めてください。“蛇の道は蛇”です。それらを含む御社事業の本質部分を“実業力”とします。ここからが「情報企画」の解決力、つまり「情報」の国際化です。“浸透力”によっていかに量的に拡大させるか、“定着力”によっていかに質的に深化させるかです。
浸透力で量的拡大
浸透力の行使は、国内市場での営業展開と本質は同じです。ただ、国際展開においては徹底的な「情報の集約化」(情報資産の一元管理)が必要です。最上流で情報を統制(コントロール)しておかないと、異国・異文化・異言語の他者が介入した時、核心である企業DNAがとんでもない姿に変異する恐れがあるからです。
定着力で質的深化
一定期間に売上を立てる(顧客に浸透する)のは量的拡大ですが、事業を永続させるには得意顧客の育成が不可欠です。それが、商材を深く現地に根付かせる(顧客に定着する)質的深化です。そのためには「情報の現地化」、つまり現地の顧客や販売代理店の営業マンが実効性の高い武器として「情報」を操れるよう、現地文化・現地市場に適合した彼ら自身の表現へと昇華させる取組みが必要です。「情報企画」の仕組みによって、情報資産の多言語展開を効果的・合理的・継続的に行います。
魅力的な組織とは
①~④は対外的に魅力を発揮するための解決力です。内部の社員にとっても、組織は魅力的でなければなりません。給与が高くて休みが多い、経営が安定して潰れる心配もない、確かに魅力的な会社です。でも、その実現には社員達自身の尽力が必要です。社員の力を活かすため、意思疎通が円滑で風通しに優れる組織へと体質改善を図ります。
組織と人体の仕組み
組織を人体と見做せば、血液が「情報」となります。血流が滞ると全身の機能が低下し、血流が良いと酸素と栄養が巡って新陳代謝も進みます。現実の組織には縦割りの壁があり、時に幹部や社員が“血栓”となって血液循環を阻害するため、「情報」のグランドデザインを行って、全社的な情報循環の“仕組み”を構築します。
「情報」が紡ぐ一体感
風通しが良いとは、物理的に壁の無い吹き抜けの大部屋を指すのではありません。どれだけ滞りなく「情報」が組織内を循環しているかです。「情報企画」の“仕組化”によって上意下達と下意上達が円滑に行われ、内部対立しやすい立場、 例えば「経営者vs従業員 / 開発部隊vs営業部隊 / 本部vs支店」等においても一体感が生じ、事業目標の達成に向け組織の機動力が強化されます。
託したい事業の可視化
多くの中小企業にとって、事業承継は避けて通れない現実です。経営者が自ら事業展開している間なら、自分さえ分かっていれば何とか通用します。しかし、他者に事業承継してもらうには、託したい事業の魅力を他者が理解できる状態に情報整理しておかねばなりません。よく“マッチング”という言葉が用いられますが、見えない本質が適正に情報化されていなければ、相手からはスルーされてしまいます。
魅力と課題の情報共有
経営資源や実績、ステークホルダーとの関係性など、事業はそれ自体が貴重な財産です。その価値を適正に評価してもらえるよう、複雑な中身をしっかりと整理・体系化し、継承して欲しい“企業DNA”が情報共有される環境を整えます。継承者はそういう正の財産だけでなく、何らかの負の財産も引き継がねばなりません。次代の後継者に克服してもうべき課題も、しっかりと整理しておきます。事業承継は「誰がやるか」に注目が集まりますが、それ以前に「何をするか」の明確化が必要です(事業図の項参照)。